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アフガニスタンからやってきた光の絨毯「Ghaznin(ガズニン)」
整いすぎた空間よりも、どこか揺らぎのある空間に心地よさを感じることはありませんか。
ガズニンのじゅうたんは、そんな感覚にそっと寄り添う存在です。アフガニスタンのガーズニ地方で、遊牧民の手によって一枚一枚織り上げられる絨毯は、素朴でありながら力強く、暮らしの中に静かな存在感をもたらします。
天然素材ならではのやわらかな風合いや、使い込むほどに深まる色合いは、時間とともに空間に馴染み、日々の暮らしを豊かに彩ってくれます。
本コラムでは、ガズニンのじゅうたんの魅力と、住まいへの取り入れ方についてご紹介します。

目次
✓ガズニンじゅうたんとは
✓ガズニン絨毯の歴史
✓特徴と魅力
✓お手入れと長く使うためのポイント
✓まとめ
ガズニンじゅうたんとは?
アフガニスタンの絨毯と言えば、アフガン絨毯を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、
アフガン絨毯は、アフガニスタンで生まれた手織りのトライバルラグの一種で、深みのある赤を基調とした色合いが特徴です。
幾何学模様や部族ごとの伝統文様(ギュル)が織り込まれ、一枚ごとに個性があります。素材には上質な羊毛が使われ、天然染料で染められるため、使い込むほどに風合いが増します。
しっかりとした織りで耐久性が高く、日常使いに適した実用性と、素朴で力強い美しさを兼ね備えています。
そして、ガズニン絨毯とは、アフガン絨毯とは違って、鮮やかな色彩に溢れている手織り絨毯で、アフガニスタンのガーズニ地方で織り上げられたものです。
シルクロードの中継地点でもあるアフガニスタンは様々な地域で見られる伝統文様が交じり、独自の文様や色彩に溢れています。
ガズニンの名称は、メーカーのオリジナルの呼称となります。
【アフガン絨毯】
アフガニスタンで作られる手織りの伝統的な絨毯のこと。
【トライバルラグ】
「部族(トライバル)」の人々によって織られた手織りの絨毯の総称です。主に中東や中央アジア、イラン、アフガニスタンなどの地域で、遊牧民や半遊牧民の暮らしの中から生まれた絨毯のこと。
アフガン絨毯はトライバルラグの一種です。
【ガズニン絨毯】
アフガニスタン・ガーズニ地方で織られる手織り絨毯で、一般的なアフガン絨毯とは異なり、鮮やかな色彩が特徴です

ガズニン絨毯の歴史
ガズニン絨毯のデザインの起源は、1500年代前半に生まれたムガール朝にさかのぼります。
ムガール朝とは、現在のインド・ネパール・パキスタン・アフガニスタン一帯を支配した王朝で、
1600年代半ばに最盛期を迎えました。
この時代には荘厳な宮殿やモスクが数多く建てられ、タージ・マハル廟が建立されたのも、このムガール朝の時代です。
当時の建築物はいずれも、落ち着いた色遣いながらも荘厳な雰囲気をまとい、圧倒的な存在感を放っています。
また、古代ギリシア美術やペルシャ装飾の影響を受けた独自の装飾文化も、この時代に大きく花開きました。
もともと、都市部の絨毯は存在していましたが、内戦によってその伝統はいったん途絶えることになります。一方で、部族による絨毯づくりは細々と続けられており、近年、約10年の安定化を経て過去の復刻デザインに新たな色彩を加えたガズニン絨毯が誕生しました。

特徴と魅力
ガズニン絨毯の素材・染色・文様などの特徴とその魅力についてお伝えします。
【素材】
ガズニン絨毯で使用している羊毛は、標高の高いアフガニスタンのガーズニ州で育った羊からとれます。
一般的な高山地帯の羊の毛と比べてクリンプ(繊維の縮れ)が強いことが特徴です。
クリンプが強いことにより強くて丈夫な絨毯用の羊毛として使われます。
豊富なラノリン(羊毛に付着した脂肪質「ウールグリース」を精製した蝋のこと)があるだけでなく、
キューティクルも多く持っているので、水に強く汚れを跳ね返すだけでなく保温性にも優れています。
【染色】
ガズニン絨毯の染色には美しさへの追求心があります。ガーズニ州は農業が盛んな地域。野菜・果物など農産物が種類豊富に育てられ、「アフガニスタンの農産物の集積地」と呼ばれることもある。
豊富にある分、売ることに向かない規格外や廃棄対象もたくさんありガズニン絨毯の染色ではこの廃棄対象の農産物が生かされています。染色の際に手に入るこれら農産物で色を染めるが、脂分が多いため均一には染まりません。その脂分も個体差があるので同じ染料を使っても必ず色むら(アブラッシュ)ができる。その上から、草木染めの風合いを残しつつ、鮮やかで深みのある色彩を生み出すために科学染料で重ね染めを行います。
【文様】
ガズニン絨毯の柄は大きく分けて5つのカテゴリに分かれています。
「スルタニ」
イスラム教でアラベスク文様の高貴なデザインとして広く使われています。
蔦が切れ目なく広がっていることから「命が繋がっていく様子」を表していて、永遠の命=不老長寿を意味しています。最上級の美しさの世界を表現しています。

「アイナ」
鏡を意味する「アイナ」と現地で呼ばれているデザイン。
もともとイスラム教の間では眼差しや視線に宿る力(邪視)を信じており、災いをもたらすものとされてきました。鏡は魔除けの意味を持っています。

「生命の木」
絨毯の中でもっとも多く用いられるモチーフ。
護り神・成長を願う生命讃歌・長寿・子孫繁栄など神聖な意味をもつ。左右対称のデザインが多く、枝が左右に広がり幹が大地に根をしっかりとおろし、天へと伸びていく生命力が表現されています。

「オリエンタル」
西アジアで多く見られるイスラム文様。様々な願いや祈りが込められたデザイン。
イスラム装飾の特徴である文様の反復性があり、一定の様式性があります。

「楽園」
草花とさまざまな種類の鳥が自由に配されたデザイン。
草花は繁栄と幸福を、鳥は自由や吉兆を象徴し、組み合わせることで豊かさ・平和・長寿などの願いが込められています。
楽園を思わせるその構図は、天上の美や永遠の生命を象徴し、絨毯の上に理想郷としての平和や豊穣、幸福を表現しています。

【織り】
織り方は「ダブルノット」と「ペルシャ結び」
2本の縦糸に糸を結びつけ、その上から1本の横糸で補強して解けないようにする織り方です。
この技法は、強度を高めるだけでなく、高密度で緻密なデザインを織り上げる際にも用いられます。
ガズニン絨毯は、大柄で奥行きのあるデザインが多い一方で、厚みは他の絨毯に比べてかなり薄く仕上げられています。その薄さで強度を保つために、このダブルノットの織りが最も適しております。
【品質】
ガズニン絨毯は「ホワイト」「ブルー」「ブラック」の3種のタグでクオリティわけして表示されています。一目でランクがわかるようになっています。
「ホワイト」
直射日光が一番当たる背中の毛で、体の中で一番ダメージを受けやすい場所ですが、採毛量が多い部分です。
毛質を生かしフォークロアテイストのデザインによく使われ、価格が手頃なので「ファーストラグ」として迎える人も多いクオリティです。
・品質…Cランク
・羊毛…背中部分の安価なウールで艶や脂分が少ない。
・織り…通常の太さの糸
・染色…メインは化学染料
・艶…….艶出し加工無し
・仕上げ…フリンジ加工無し
・価格…リビングサイズ:10万~30万円、玄関サイズ:3万~5万円

「ブルー」
ガーズニウールの体の中で一番脂分が豊富なお腹の部分の毛であり、脂分が多いため染めのときにアブラッシュが一番美しく出る毛です。一番多くご紹介しているランクでもあります。
・品質…Bランク
・羊毛…胴体部分の直射日光が当たりにくい箇所のウール。脂分が一番多く含まれている。
・織り…通常の太さの糸
・染色…草木染めと、脂分が強く染まりにくいため、化学染料を併用。
・艶…….艶出し加工にて艶を出す。
・仕上げ…フリンジ加工あり。装飾的にフリンジ加工を行う。
・価格…リビングサイズ:30万~60万円、玄関サイズ:5万~10万円

「ブラック」
ガーズニウールの中で一番繊細な急所を保護する、調湿・保温に優れているきめ細かな最上質の顎毛を使用した絨毯です。
しっとりとした手触りが他のクオリティと全く違います。30枚に1~2枚程度しかない、かなり希少なものです。
・品質…Aランク
・羊毛…胸元の一番繊細な部分を保護するキメが細かく調湿効果に優れた上質なウール。
・織り…細い糸で織りが細かい
・染色…草木染めと一部化学染料
・艶…….艶出し加工を使用せず、ウール本来の艶だけで仕上がる。
・仕上げ…フリンジ加工なし。最高品質の高級感を際立たせるために、装飾的なフリンジは施さない。
・価格…リビングサイズ:50万~100万円、玄関サイズ:10万~20万円

お手入れと長く使うためのポイント
■お手入れについて
ガズニン絨毯を長く使うためのお手入れ方法は、一般的なウール性の絨毯と同じ方法となります。
絨毯は目が詰まっているので、毛並みに沿って掃除機をかけるだけで十分です。
飲み物などの液体をこぼした場合は、ティッシュペーパーや乾いた布巾などで優しく叩くように水分を吸い取ってください。強く擦ると汚れが広がったり浸透したりしますので注意が必要です。
汚れや匂いなどが気になりましたら、クリーニングがおすすめです。その際はウール専門のクリーニング業者を推奨します。
突発的なペットの粗相や食品の汚れなどは、早い段階で対処することがおすすめです。
■遊び毛について
使い始めはしばらく遊び毛が出てきます。他のウール製の絨毯と比べて厚みが少ないので出てくる量も少ないのが特徴的です。
■使用上について
床暖房やホットカーペットの上に置いても使用できます。ウールは保温力がありますので心地よい温かさをお楽しみできます。
湿度の多い時期などに、絨毯から羊毛独特のにおいがすることがあります。羊毛は湿気を吸放出することに優れています。湿気が多い時期はより湿気が溜まり羊毛の匂いが強くなります。その際は換気を十分に行うと匂いが緩和します。
直射日光が直接長期間当たると、紫外線により色が退色する恐れがあります。時々向きを変えてご使用ください。

まとめ
ガズニン絨毯は、素材・染色・織りのすべてに丁寧な手仕事と文化の背景が息づく、唯一無二の手織り絨毯です。鮮やかな色彩や豊かな文様、天然ウールならではの風合いは、空間にあたたかさと奥行きをもたらし、使い込むほどに暮らしへ自然と馴染んでいきます。
また、その魅力は美しさや実用性だけにとどまりません。ガズニン絨毯の売上の一部は、アフガニスタンの難民の子どもたちへの教育支援にも活用されており、一枚の絨毯を迎えることが、遠く離れた地で学ぶ機会や未来へとつながっています。
決して均一ではない“揺らぎ”や“一点もの”ならではの表情、そして織り手や子どもたちへの想いまで含めて、ガズニン絨毯には豊かな物語が織り込まれています。ただのインテリアではなく、暮らしに寄り添いながら、長く受け継いでいきたくなる存在です。
そんなガズニン絨毯ですが、このたび弊社ショールームにて、期間限定の「ガズニン絨毯展」を7月4日(土)~7月12日(日)までの期間に開催する予定です。
実際に見て、触れていただくことで、手織りならではの風合いや色彩の美しさ、そして一点ものならではの存在感をご体感いただけます。ぜひこの機会に、ガズニン絨毯の魅力をお楽しみください。
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