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無垢材家具におすすめのオイル


天然木家具を購入されたお客様から、無垢材家具にはどんなオイルを使えばいいの?

というお声をよく聞くことがあります。

国内海外製問わず、いろんなメーカーから木材専用のオイルが販売されていますが、

筆者の私もこれまでいろいろなオイルを使ってきました。

中には食用で使用するあのオイルも試しに使ってみたり..。

今回のコラムでは無垢材に使用するオイルについてお伝えいたします。

目次

✔︎無垢材に使うオイルの効果
✔︎無垢材にはメンテナンスが必須
✔︎オイルとワックスの違い
✔︎植物油のいろいろ
✔︎無垢材メンテナンスオイル・ワックス
 ✔︎春風(サンユーペイント株式会社)
 ✔︎匠の塗油(太田油脂株式会社)
 ✔︎未晒し蜜ロウワックス(小川耕太郎∞百合子社)
 ✔︎ノーマルクリアー(オスモカラー)
 ✔︎アルドボス(リボス)
 ✔︎グロスクリアオイル(プラネットカラー)
✔︎食用オイルで代用
✔︎まとめ


無垢材に使うオイルの効果

無垢材の家具や建材には、何かしらの保護剤が施されていることが多いです。

保護剤はウレタン塗装であったりオイル塗装であったりで、

それぞれ無垢材を保護するために仕上げられています。

今回はオイル仕上げで無垢材に与える効果についてお伝えします。

オイル塗装は、木材の表面に薄い膜を張ってコーティングされるウレタン塗装とは違って、

木材の内側へオイルが浸透していって保護するかたちとなります。

オイルは主に植物性の油脂を使用していて、塗装してもそのまま木の木目や質感を

生かしてくれる仕上がりとなります。

呼び方はオイル塗装やオイル仕上げ、オイルフィニッシュとも呼ばれます。

オイル塗装によるメリットとデメリットは、以下の通りです。

■メリット

①木の呼吸を妨げない。
②木の優しい手触りを感じられる。
③木の表面にできた傷や汚れはやすりで研磨してメンテナンスできる。
④凹みはアイロン・水・布を使ってある程度直すことができる。
⑤自分で簡単にオイル塗装ができる。

■デメリット

①水染みができてしまいやすい。
②反りや木割れが生じやすい。

オイル塗装による良いところは、自分でメンテナンスができることだと思います。

傷や汚れ、凹み傷ができても、紙やすりやアイロン・水などを使って修復することができます。

手触りも優しく温かみがあって気持ちいいのでおススメですが、

その反面、水染みができやすく、木割れや反れが生じやすいのが難点です。

オイルを定期的に染み込ませておけば、ある程度は水をはじいてくれたり、

割れや反りは起きにくくなるのですが、絶対におきないとも言い切れません。

末永く使用するには、年に数回はオイル塗装をして木に潤いを与えてあげることが必要となります。


無垢材にはメンテナンスが必須

無垢材の家具や建材には定期的なメンテナンスが必要となります。

メンテナンスを怠れば、木割れや反りが起きやすくなり、

表面もカサカサとした質感で、決していい肌触りとは言えない質感です。

オイルは年に1~2回ほど染み込ませるのがおススメです。

■定期的にメンテナンスをしないと…

①家具や建材の表面がカサカサになる。
②木割れや反りが起きやすくなる。
③輪染みや水染み・汚れがつきやすくなる。

ヒトの肌と同じように、油分を与えないと乾燥でカサカサになってしまいます。
油分が含まれていないと、木の内部に水が染み込みやすいので、染みにもなりやすくなります。

■オイルによるメンテナンス方法

【準備するもの】
・家具用のメンテナンスオイル
・ウエスやいらなくなった布を数枚

①無垢材家具や建材の表面をウエスやいらない布で乾拭きします。
②オイルを染み込ませたウエスで表面をすりこませるように塗布します。
③30分ほど放置したあと、表面についている余分な油分を乾いた布で拭きとります。
④半日ほど乾かして完了です。

メンテナンスを定期的に行うことによって、木割れや反りを起こしにくくすることができます。
また、無垢材特有の経年変化を楽しむことができ、末永く丈夫に使うことができます。
年に1~2回というのは目安で、無垢材家具や建材が置かれている環境・使用頻度によって
状態は違ってきますので、自分に合った仕上がり具合を考慮して塗装しましょう。

■普段のお手入れ方法

普段のお手入れ方法は、乾拭き、もしくは固く絞った布巾などでの水拭きで大丈夫です。
水拭きしたあとの表面に水が少し残っている場合は乾拭きしてください。


オイルとワックスの違い

無垢材家具や建材に使用する油脂は、オイルとワックスの2種類がございます。

どちらも多くは植物性の油脂を使用していて、浸透系のタイプになるのでほぼ同じなのですが、

若干、仕上がりの見た目や手触りに違いがあります。

■オイル

オイルの方は液体になるので、木の表面に塗布すると、内部の方へオイルは浸透していきます。

木の表情を浮かび上がらせることができ、木そのものの質感を味わうことができます。

オイル塗装をすると若干ですが濡れ色に変色し、しっとりとした仕上がりになります。

その濡れ色への変色を活かし、木そのもの色合いを引き立たせてくれるので、

ブラックチェリーやウォールナットなどの色の濃い材質や、

木目がはっきりとしたオーク材やタモ材などとの相性は良いです。

・液体状で内部へ浸透する
・しっとりとした質感
・濡れ色に変色する
・濃い色の材質や木目がはっきりした材質との相性が良い

■ワックス

一方、ワックスの方は半固形状の状態で、木の表面に塗布すると、

木の表面にとどまって汚れや水などから守ってくれる塗装になります。

木の内部の方にはあまり浸透しないので、濡れ色には変色はせず、

仕上がりはさらっとした質感となります。

濡れ色には変色しないので、白さが際立つカバ桜材やメープル材などとの相性が良いです。

・半固形状で、木の表面でとどまる
・さらっとした質感
・濡れ色には変色しない
・白さが際立つ材質との相性が良い


植物油のいろいろ

オイルやワックスに使用される油脂には主に植物性のものが使用されています。

植物油と言っても種類はたくさんあります。

植物油は、乾燥する速さによって『乾性油』『半乾性油』『不乾性油』の3つに分類されます。

乾性油とは、空気中で放置しておくと自然に乾燥していく油のことで、

不乾性油とはその逆で全く乾燥しない油のこと、半乾性油はその中間にあたる油を指します。

代表的な植物油をこの分類で当てはめると以下の通りになります。

【乾性油】 クルミ油、桐油、えごま油、亜麻仁油、ひまわり油等
【半乾性油】サラダ油、大豆油、ナタネ油、ごま油等
【不乾性油】オリーブ油、ツバキ油、パーム油、ヒマシ油等

無垢材家具や建材への塗装に向いているのは乾性油のみです。

半乾性油は、中途半端に乾いてネトネトが残るので向いていません。

不乾性油は、完全には乾かずに油っぽさがいつまでも残るので向いていません。

■乾性油の種類

・クルミ油
 クルミの種子から得られる植物油。ナッツの味や香りを持つ淡い色をした油です。
 主に食用として使用されているが、木製の箸やスプーン、食器類などの仕上げ材としても使われる。

・桐油
 アブラキリという植物の種子から採れる油。毒性があるので食用には用いられていません。
 乾くと硬い膜を張るので、防水・耐久性があり、屋外での木材塗装に向いています。

・えごま油
 エゴマという植物から採れる油。食品用と建築用があり、皮膚についても問題はありません。
 木材の艶出しだけでなく耐水性や殺菌効果もある乾きの早い油です。

・亜麻仁油
 亜麻という植物の種子から採れる油。古くから提灯や番傘、バイオリンやギターなどに
 使用されている。撥水性・艶出し・割れ止めの効果があります。

・ひまわり油
 ひまわりの種子から得られる油で、食用や髪や肌、クレンジングオイルなど多岐にわたって
 使われていますが、木製食器やカトラリーなどの仕上げにも使われます。


無垢材メンテナンスオイル・ワックス

ホームセンターでは様々な塗料が販売されていて、各メーカーのネットショップなどでも

商品を購入することができます。

ですが、いろんなメーカーからオイル・ワックスが販売されていて、

どれを買えばいいのか迷うこともあるのではないでしょうか?

ここでは無垢材家具や建材などによく使われるオイル・ワックスについてご紹介いたします。

■春風(サンユーペイント株式会社)

商品のネーミングがとても可愛らしいサンユーペイント株式会社さんから販売されているオイル。
その可愛らしいネーミングの通り、安全性と健康面に考慮した優しいオイル塗料です。
紅花油・亜麻仁油を主成分としていてニオイはあまり感じられず、
フローリングや木製建具、家具、木のおもちゃなど、あらゆる木製品に塗ることができます。
塗膜を張らない浸透タイプの速乾性で、ワックス成分も含まれているので、
さらっとした仕上がりで撥水性もございます。

▲春風 / サンユーペイント株式会社

■匠の塗油(太田油脂株式会社)

上記の春風とは違って、職人魂が感じられる太田油脂株式会社さんで販売されているオイル。
えごま油をベースにしたオイルで、こちらも木製の建材・家具などあらゆる木部への塗装が可能です。
実は筆者の私は匠の塗油を長年愛用しています。
延びが良く塗りやすいうえに艶が出て汚れにも強く、撥水性も素晴らしいです。
えごま油特有の香りがあります。

▲匠の塗油 / 太田油脂株式会社

■未晒し蜜ロウワックス(小川耕太郎∞百合子社)

こちらの商品も好きで長く使っている小川耕太郎∞百合子社で販売しているワックスです。
主成分は蜜ロウ・えごま油で、無垢材や集成材の家具・建材・おもちゃやコルクなどにも
使用できます。
木の表面に蜜ロウの膜を張り、内部にはえごま油が浸透していくの、木の内外部で汚れや
水から守ってくれます。
こちらもえごま油特有の香りがします。

▲未晒し蜜ロウワックス / 小川耕太郎∞百合子社

■オスモカラー ノーマルクリアー(オスモ&エーデル)

オスモカラーはドイツ生まれの自然塗料で、ひまわり油、大豆油、アザミ油、カルナバワックス、
カンデリラワックスといった自然の植物油と植物ワックスが主成分となっています。
木製家具や建具、木のおもちゃ、壁・天井などにはOKなのですが、
木製フローリングやコルクタイルには向いていません。
木の呼吸を妨げず撥水効果も付与するオイルです。独特な香りがします。

▲オスモカラー ノーマルクリアー / オスモ&エーデル

■アルドボス(リボス)

リボス社はオスモカラーと同様にドイツ生まれの自然塗料です。
亜麻仁油を主成分とし、床、天井、家具など室内のあらゆる木部に塗装することが可能です。
針葉樹・広葉樹問わず塗れますが、アルドボスは広葉樹に適した塗料となります。
艶がなく木目を引き立たせる効果があり、撥水効果もあります。
柑橘系の香りを放ちますが、乾くとにおわなくなります。

▲アルドボス / リボス

■グロスクリアオイル(プラネットカラー)

プラネットカラーはプラネットジャパンとドイツ・クライデツァイト社との共同開発で生まれた
自然塗料です。
主成分は亜麻仁油で、こちらも室内のあらゆる木部に塗装できるタイプとなりますが、
特にダイニングテーブルの天板に適しています。
熱に非常に強く、輪ジミを防ぐ効果が強く撥水効果もあります。
においも少ないのでにおいに敏感な方におすすめのオイルです。

▲グロスクリアオイル / プラネットカラー

食用オイルで代用

食用オイルで代表的なものと言えば、サラダ油やごま油、オリーブオイルなどでしょう。

他にも食用に使われるオイルでは、亜麻仁油、大豆油、えごま油、なたね油、

サフラワー油、ココナッツオイル、こめ油、バター、マーガリンなど他にもたくさんあります。

そんな食用オイルは無垢材の家具や建材など木材に対して使えるのかどうかということですが、

その答えは、乾性油なら使えて、それ以外なら使わない方が良いでしょう。

前章でも書きましたが、植物油には『乾性油』・『半乾性油』・『不乾性油』の3つの種類があります。

乾性油は空気中で放置しておくと次第に乾いていきます。

半乾性油は、中途半端に乾いてネトネトが残りますし、

不乾性油は、完全には乾かずに油っぽさがいつまでも残ります。

主に家庭で使われている食用油のサラダ油やごま油は半乾性油、オリーブオイルは不乾性油なので、

無垢材への塗装には向いていません。

食用で売られているえごま油やひまわり油などは乾性油なので代用はできます。

ですが、食用油は食用で、家具を含め建材には建材用の油をつかっていただくのを推奨しています。

家具用オイルがなく、どうしてもという場合はオリーブオイルを使って、

少量を薄くのばすように塗布したあと、余分な油を拭き取ればよいと思いますが、

あまりおススメはいたしません。

実際にダイニングテーブルにオリーブオイルを少量だけとって薄く塗布してみましたが、

乾くことなくオイルが残っている状態でべたべたでした。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

無垢材家具や建材には人間と同じように潤いが必要となります。

オイルやワックスを塗布することによって木割れや反りを防止し、

経年変化を楽しむことができ、丈夫で末永く使用することができます。

ですが、その状態を維持するには、定期的なメンテナンスが必要となります。

オイルと一口に言っても様々な種類のオイルがありますが、

無垢材家具や建材にはそれ用に向いたオイルを使うのがおススメです。

乾くことのない不乾性油(オリーブオイルなど)で塗装してもずっとべたついた状態で、

逆に汚くなったり、服の袖なども汚れてしまうこともあるので、おススメはしません。

自分でメンテナンスをすると愛着が深まるのも無垢材の大きな魅力だと思います。

一緒に育てていくような感じでメンテナンスをして無垢材家具を使っていくと、

より大事にこれからも使い続けようという気持ちがわいてくると思います。

弊社ではオーク材やウォールナット材、ブラックチェリー材などの天然木家具・キッチン

などを展示・販売しています。

実物を実際に見て触って確かめることができますので、気になるなぁという方は、

是非ご来店いただければと思います。

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