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飛騨高山フィンユール邸訪問記① ~家具と建築の理想の関係~
当社では家具から始める家づくりを追求している。
今でこそ、家具は家具販売店、建築は工務店と受け持つ業界が違うが、日本をはじめ、海外の著名な建築家は優れたデザインの家具を世に残してきた。
家具、特に椅子は、「小さな建築」と呼ばれるほど、強度(構造)とデザインとを両立しないといけない。
いくらデザイン画で独創的な絵が描けても、それを実現する職人がいないと世に現れない。
そして生み出された家具はその建築家が設計した家にぴたりと納まっている。
家具から始める家づくりは特別なことではなく、以前から良質な住空間をもとめる人々の中では普通に行われてきた。
20世紀の後半、デンマークの建築家、フィンユールは優れた建築と共に、数々の家具の名作を生み出した。
その自邸が、飛騨高山の家具メーカー「キタニ」の敷地の一角に再現されている。
家具から始める家づくりを目指す我々にとっては是非、見ておかねばならない場所。
今回の研修旅行に行く前に、見学の予約を取り、旅行2日目の午前に訪問してきた。
案内していただいたキタニの森田氏に従って、建物の玄関に回るべく北面から見ていく。
縦長の大きな窓には鎧戸がつけられ、開け放した時に、隣の窓の鎧戸と固定できるよう、窓巾と外壁が同じピッチで並んでいる。
デンマークにある本物の自邸は構造も煉瓦造ということだが、レプリカのこちらは地震などを考慮し、在来木造に煉瓦仕上。表面は白い漆喰で塗られていて、微妙なテクスチャが面白い。
この白はナポレオンがデンマーク統治時に家の仕上げによって税金を決めていたらしく、仕上が分からないようにするため、デンマークの人々の反骨精神もあって白く塗るようになったというお話が合った。
北側を回り込み、東側にある玄関前に着く。
切妻の屋根は雨樋が外部に露出しないように作られていてすっきりと納まっている。
最近の住宅でもはやっている「ハコスタイル」の原型だ。
外壁の白が単調に見えないのは下地のれんがの凹凸が微妙な陰影を生み出しているからだろう。
ちなみにれんがの積み方は4段ごとに一つのパターンが繰り返される模様らしい。
外壁の一番南端につく照明もユニークな形をしている。
デンマークに立つ実邸は南側からアプローチしていく配置計画になっていて、来客が近づいてきたときに、間違いなくフィンユール邸だとわかるように個性的な形のものを造ったということだ。
玄関のわきにある、小さな丸い開口部。
これはトイレの窓につけられているもの。
換気と目隠しを考えてデザインされたのだろう。
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*:..。o○ 家具から始める家づくり ○o。..:*
株式会社 リーフ 代表取締役 猪倉 厚
1級建築士・宅建士・インテリアコーディネーター
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株式会社リーフ(シャルドネ大阪南港)
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