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モールテックスのダイニングテーブル
今回のコラムでは、モールテックスのダイニングテーブルについてご紹介します。
以前に掲載した、ダイニングテーブルの選び方と基礎知識でも少し触れましたが、
さらに詳しくご紹介いたします。
目次
モールテックスとは
モールテックスとは、モルタルにさらに柔軟性、防水性などを加えた建材になります。
モルタルとほぼ同じ材料となりますが、まずはモールテックスの内容の前に、
モルタルやコンクリートなどとの違いについてお話いたします。
セメント・モルタル・コンクリートの違い
■セメントペースト
セメントペーストとは、セメントと水を練り混ぜた材料のこと。
糊状ですが、時間が経つと固まる性質があり、接着剤のような効果を持ちます。
【セメントペースト=セメント+水】
■モルタル
モルタルは、セメントに砂(細骨材)と水を練り混ぜた材料のこと。
コンクリートほどの強度はありませんが、建物の下地やレンガ・タイルの目地材、
接着剤などに使われます。
【モルタル=セメント+砂(細骨材)+水】
■コンクリート
コンクリートはセメントに砂(細骨材)・砂利(粗骨材)・水を練り混ぜた材料のこと。
使用する箇所の必要強度に合わせて、材料の割合を変えて使用しています。
また、硬化したものをコンクリートと呼ぶので、固まる前のドロドロの状態を、
生コンクリートと呼んでいます。
【コンクリート=セメント+砂(細骨材)+砂利(粗骨材)+水】
■モールテックス
モールテックスは、優れた機能と高いデザイン性を合わせ持つ「デザインコンクリート」を、
薄塗りでつくれる仕上げモルタルで、ベルギーのメーカーBEAL社が開発した左官塗材です。
モールテックスはモルタルとほぼ同じ材料となりますが、アクリル樹脂を混ぜて作られています。
防水性があるので、洗面台やキッチン、屋外などにも施工が可能で、
柔軟性もあるので、どんな素材にでも塗ることができます。
ベルギーでは20年以上の歴史を持つ建材で、日本ではまだ認知度は低いですが、
徐々に人気がでてきて、家具をはじめ、雑貨や建築など様々なところで採用されています。
モールテックスの5つの特徴
①柔軟性
モルタルと材料はほぼ同じなのですが、アクリル樹脂を混入することでセメントの質感を
持ちながらも、曲げ・たわみに対して非常に強いモルタルになります。
この柔軟性のおかげで従来のモルタルではありがちだった角の欠けや表面の削れが少なくなりました。また、自身の乾燥で割れることなく、下地の撓みに追従する性質もあります。
(※下地の構造的な動きには注意が必要です。)
②強靭性
モールテックスの厚みは約2~3mmになります。
にもかかわらずその強度はコンクリートの1.5倍程度の表面強度が発揮されます。
なので、家具だけでなく、洗面台やキッチン・屋外など、様々な場所で仕上げることができます。
③防水性
約2~3mmの水を通さない層をつくることで、水にも大変強い左官材になります。
実は、通常のモルタルについては、あまり防水性がありません。
ですので従来のセメント系材料で扱えなかった水廻りに対応することができ、
洗面台やキッチン・屋外など、様々な場所で仕上げることができます。
④不燃性
国が定める不燃認定を受けており、火災に対する安全性の高さを認められた建築材料です。
火災が起きても燃え広がることはなく、有毒ガスなども発生しません。
⑤デザイン性
高いデザイン性と豊富なカラーがあり、標準色だけでも64色ございます。
左官仕上げする職人さんの腕によって仕上りが左右され、表情が変わってきます。
モールテックスの保護剤について
モールテックスには大きく分けて2種類の仕上げ方があります。
オイル系で仕上げた浸透性タイプと、
ニス系で仕上げ、表面をコーティングする被膜性タイプになります。
そして、お手入れ用に1種類の汚れ防止剤があります。
■オイル系浸透性タイプ
【レペルオイル】
屋外で使用しても紫外線によって黄変せず、天候の変化による影響を受けない
高性能素材を主成分とするもので、屋内外でも使用可能。
油に対する優れた撥油性、水滴、油滴が表面張力で珠状になる効果があります。
適切な時期に塗り直す必要がございます。
【オイルOH】
一部成分を燃焼処理し、乾燥剤(シッカチーフ)によって変成、脱色された天然オイルに、
撥水・撥油成分を含む硬化剤を混合させた保護剤。
天然素材で、塗布後は元の色より濃い色に変化するので、注意が必要です。
こちらも適切な時期に塗り直す必要がございます。
屋内外に使用可能(屋外は一時的なものの場合)
【フィニッシュSA】
天然石鹸を作るためのオイルに疎水材を添加した保護剤。
ニオイは少なく、取り扱いしやすい保護剤になります。
継続して毎日の手入れに使用することで防汚効果が高まっていきます。
塗った際は濡れ色になりますが、乾燥すると元の色に戻ります。
屋内のみ使用。
■ニス系被膜性タイプ
【ビピュール】
ビピュールは2液の水性塗料で2回塗りの保護剤。ウレタンと同じような塗膜タイプで、
水や汚れに強く、日頃のメンテナンスを必要としない保護剤となります。
光沢感については、ツヤあり・半ツヤ・ツヤ消しがあります。
膜を作るので、手触りや色合い・風合いに、オイル系とは違いが出ます。
屋内のみ使用。
【ポリタン】
ビピュールと同様に2液性で、メンテナンスを必要としない塗膜タイプ。
ツヤありとツヤ消しの2種類があり、ツルっとした手触りで、
色合い・風合いに、オイル系とは違いが出ます。
ビピュールもポリタンも、傷などがついてしまった場合は、
その膜を全てはがして、再塗装が必要になります。
屋内のみ使用。
■お手入れ用汚れ防止剤
【ビールワックス】
ビールワックスとは汚れがモールテックスの中に侵入することを遅らせることができる、
天然植物性オイル、テレピンオイル、蜜蝋をベースとした、ペースト状のワックスです。
保護効果や撥水性が増し汚れが付きにくくなります。
浸透系タイプで仕上げ後での併用では若干ですが濡れ色になります。
屋内のみ使用。
モールテックスとダイニングテーブルとの相性
上記で記載したモールテックスの5つの特性から、ダイニングテーブルとの相性が良く、
最近は続々とモールテックス製のダイニングテーブルが販売されています。
天然木製と同様にメンテナンスを怠らずやっていけば、ずっと使える家具になるので、
ダイニングテーブルのみならず、洗面台やキッチン・土間などとも相性は良いです。
ダイニングテーブルだと、天板がモールテックスで、脚は異素材になることが多いと思います。
脚は天然木にしたりアイアンにしたりと様々ありますが、
その脚の材種や色とモールテックスとの色とでいろんな組み合わせができ、
可愛く見えたり、かっこよく見えたりで、見た目の印象も変わります。
弊社で扱っているラフィンゲートさんのダイニングテーブルを購入された方の1番の理由は、
見た目がカッコいい!&可愛い!からと仰る方がほとんどです。
確かにデザイン性は良いですが、モールテックスの特性上、
他にも良いところはあり、また、悪いところもございます。
ダイニングテーブルで使うとなると一番気になるのが、汚れだと思います。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭だとなおさらですよね。
モールテックスは基本的には保護剤を塗っておかなければいけない素材になります。
保護剤を塗っておかないと染みや汚れがつきやすいです。
浸透系、もしくは塗膜系の保護剤で仕上げた後でも、綺麗な状態を保っていくには、
日頃のメンテナンスが必要となります。そこは天然木製と同じですね。
弊社では浸透性タイプのレペルオイルを4回塗ったうえでビールワックスをかけて出荷しております。
また、モールテックスはコンクリートと同じアルカリ性になるので、
お酢やワインなど酸性に弱く、放置しているとシミになってしまいます。
そして、除光液にも弱く、除光液に含まれるアセトンが樹脂を溶かす性質を持っているので、
シミになってしまいますので、注意が必要です。
メンテナンスが難しいという方には、ビニールマットを敷くことで、汚れを防ぐ方法があります。
日頃のメンテナンスはすることはなく、モールテックス自体は綺麗な状態に保つことはできます。
ですが、モールテックスそのものの素材感を楽しむことはできなくなり、
また、ビニールマット特有の光沢感がでてしまいます。
ビニールマットに抵抗がある方には、お食事の時だけランチョンマットを敷いていただく方法
もございます。
また、モールテックスのもつ強靭性からも、ダイニングテーブルを選ばれる際の理由として、
購入される方も多いです。
モールテックスは薄塗材で2~3mmの厚さで仕上げているにもかかわらず、
コンクリートの約1.5倍の強度を持つと言われております。
テーブル上で硬いものを落としても、天然木製でしたら傷はつきますが、
モールテックスですと傷はつきにくく、逆に落とした物の方に傷がついてしまうことも。
ただし、いくら硬いといっても、絶対に傷がつかないわけではございません。
重くて角張った物を落としたり、金属製の鋭利な物などを落とすと傷がつく恐れもあります。
次の章のメンテナンスでもお伝えしますが、傷がついたりクラックがはいってしまうと、
その部分のみの修繕はできませんので、注意が必要です。
モールテックスのメンテナンス方法
モールテックスの性質を末永く発揮するために、定期的なメンテナンスをおすすめしております、
弊社の商品はオイル仕上げをしたうえでワックスがけをしてお届けしておりますが、
その後のお手入れ方法として、日常的なお手入れと、年に数回程していただくお手入れがございます。
【日常的なお手入れ】
普段のお手入れとしては、水で濡らして固く絞った布巾で拭くだけで大丈夫です。
ですが、より防汚・保護効果を高めるものとして、
モールテックスの汚れ防止保護剤となる「フィニッシュSA」を使ったお手入れをおススメします。
水100mlに対して原液のフィニッシュSAをティースプーンで3,4杯ほどよく溶かした溶液を作ります。
その溶液を布巾に付けていただき、テーブルを拭き、そのまま乾燥させてください。
100均などで販売されている、ワンタッチで布巾などに直接洗剤が付く
便利なディスペンサーがありますが、
あのボトルにあらかじめフィニッシュSAを溶かした溶液を入れておくと、
日々のお手入れが楽にできます。
【年に数回程度のお手入れ】
モールテックスの保護剤となる「ビールワックス」を使ったお手入れで、
表面に膜を形成し汚れの沈着を防ぐ保護剤となります。
水分・油分どちらにも高い効果を発揮してくれます。
フィニッシュSAだけでは防ぎきれないシミ・汚れに対しても効果を発揮します。
ビールワックスをかける前に、テーブルを一度乾拭きします。
スポンジやウエスにビールワックスを適量とっていただき、
そのままテーブルに擦り込むように塗布します。
その後、綺麗なウエスでテーブルに残った余分なワックスを拭き取り、乾燥させます。
匂いがかなりキツいので、換気を十分にして行ってください。
年に最低でも2回は行ってください。
【アルコールや除菌シートなどによるお手入れについて】
よくアルコールスプレーやアルコールの入った除菌シートを
使用できるかどうかのお問い合わせがありますが、
ご使用にならないようにお伝えしております。
弊社では出荷前にビールワックスを塗布しておりますが、
アルコールの成分がワックスを溶かしてしまう恐れがありますので、
ワックスがなくなってしまった箇所は汚れが浸透しやすくなってしまいます。
石鹸をベースに作られている「フィニッシュSA」を使用していただくのをおススメします。
弊社のYouTubeチャンネルにて、モールテックスについてしまった落書きや調味料といった
汚れを落とす動画を紹介しておりますので、ぜひご参考になさってください。
また、フィニッシュSAとビールワックスのメンテナンス方法の動画もありますので、
こちらもぜひご覧ください。
モールテックス・ダイニングテーブルの紹介
最後に弊社で取り扱っております、ラフィンゲートさんのモールテックス・ダイニングテーブル
「アッシュグレイ”38”」をはじめ、「シラー”60”」など他のダイニングテーブルの紹介をします。
以下のダイニングテーブルの紹介文はラフィンゲートさんより引用したものになります。
「アッシュグレー“38”」
一番最初に造ったモールテックスのダイニングテーブル。
天板の厚みは一般的な家具より少し厚めの38mm。
選べる脚はシンプルなものを多く用意しました。
モールテックスのインダストリアルな雰囲気がお好みの方はアイアン脚がおすすめ。
床や椅子で木をお使いでしたら、無垢の木製脚も良く合います。
「アッシュグレー”69”」
無垢のテーブルの中央に15センチ幅のモールテックスでアクセントを付けました。
木のテーブルをお探しの方にもおすすめできるものです。
木はオーク・ウォールナットの天然木オイル仕上げ。木の風合いを感じていただけます。
「シラー”60”」
モールテックスのもつインダストリアルかつメンズライクな雰囲気を生かし、
その存在感をさらに高めるため、天板厚を60ミリにしました。
専用のアイアン脚もマットで頑丈な印象のものになっています。
「アッシュグレー”ラウンド”」
お客様の声から規格化された丸テーブル。天板も少し薄めにしました。
2人用の950、4人用の1100、ご友人たちと囲める1200の3サイズからお選びください。
上記のダイニングテーブルのより詳しい内容は、こちらの記事よりご覧ください。
いかがでしたでしょうか?
最近、人気が高まりつつあるモールテックスについてご紹介いたしましたが、
どんな素材であったとしても、永く使っていくにはメンテナンスは必要になっていきます。
モールテックスは無垢材と同じく、使えば使うほど味が出てよい感じになっていきます。
一緒に育てていく感覚で愛着を持って使っていただければと思います。
ラフィンゲートさんの商品は、弊社ショールームで展示しております。
また、弊社オンラインショップでも商品を掲載しておりますので、
ご検討の方は、直接、大阪狭山ショールームへお越しいただくか、
オンラインショップにてご購入ください。
ご来店予約はこちらから。
オンラインショップはこちらより。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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