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家具インテリア業界の未来
最近の日経新聞の記事に、家電販売大手、ヤマダ電機が家具インテリア販売に乗り出すと書いてあった。
現在の家具販売大手と言えばまぎれもなくニトリだが、そちらと真正面からぶつかる構図。
さて、行く末はいかに。
記事の中から、気になったキーワードを拾ってみる。
もうSPAでしか生き残れない?
「現時点で売り場にヤマダ独自の商品はない。(中略)ニトリの様に家具や雑貨で独自ブランドの製造小売りを展開する計画だ」
製造小売り、いわゆるSPA業態だ。ニトリ以外にもユニクロもこれで成長した。
まだ家具店のなかではメーカー名やブランド名を前面に出してそこから定価の何割引きといった方法で販売しているところが見受けられるが、これは価格決定権があるようでない状態。
とくにネット販売が普及した現在ではいつ足元をすくわれてもおかしくない。
独自で開発した商品を自ら価格決定権を持って販売する。
この原則は、業種業界問わずこれからの必須科目であるように思う。
家具業界はまだまだ競合が少ない?
「家具も成長産業とは言えないが、中小事業者中心で最大手のニトリでもシェアは数%とみられる。大手5社でシェアの多くを占める家電流通とは競争の激しさが違う。」
我々も、中小事業者、いや、零細事業者だ。
大阪でも家具インテリアの大型店がどんどんと出店する中、競合は十分に厳しいと思うのだが、ほかの業界から見たらまだまだましなのだろう。
アパレルや飲食から家具インテリア業界に進出してくる例はとても多い。
特にアパレルはライフスタイルのイメージを作り出すことには長けている。
今現在、家具インテリア業界に身を置くものとしては今の競合状態がまだまだ甘いものであって、これからもっと激化することを想定して将来計画を練らないといけない。
自分自身はその境目は2020年のオリンピックイヤーになると思っている。
圧倒的な営業利益率のニトリ
「『家電に比べ単価が小さくても利益率は高い』(桑野社長)のも家具の特徴。実際、16年度のニトリの売上高営業利益率は16.7%とヤマダより13ポイント高い。」
確かに、家具の方が競合が甘いだけ、利益率も高く維持できるかもしれない。
しかし、私が常々、百貨店で靴売り場や宝飾売り場を見て感じるのはその坪当たりの在庫金額の高さだ。
家具と比べて同じ金額を売り上げるのに格段に売り場面積は少なくて済む。
ということは、家賃負担も少なくて済む。
かさばる家具はどうしても売り場面積が必要になり、販管費の中で家賃の占める割合が高いし、持ち帰りできる靴や宝飾品と比べ、配達が必要なので、配送経費もばかにならない。
高利益率はそれぐらい取っておかないと、回らないからなのだが。
しかしそれにしても、ニトリの営業利益率16.7%というのは凄すぎだ。
SPAによる粗利の確保だけでなく、販売現場から物流に至るまでのシステム化が徹底的に完成していることの証左だろうと思う。
領域はクロスオーバーし広く住関連産業に
「ヤマダは11年以降、住宅と設備機器のメーカーを相次ぎ買収したが、『家電』と『家』ではユーザーの嗜好を合わせられず、当初見込んだほどの相乗効果を得られなかった。(中略)ニトリも5月にカチタス(群馬県桐生市)に出資し、『家』全体に事業領域を広げようとしている。」
最近は、ニトリの売り場でも炊飯器などの白物家電を見ることが多い。しかも、値段も手軽でデザインも良くなっている。
もう、家電とか、家具とか、住宅とかの領域に分かれるのではなく、広く住関連産業としてまとまった領域になっていこうとしている。
当社も「家具から始める家づくり」をコンセプトに、「家具から住宅まで」がこれからも注力する事業領域だが、大手もまた、他業界からも、そちらに乗り込んでくることはもう明白。
あとは、如何なる切り口で、それを見せるかが勝負になるだろう。
いずれにしても、大手や中小問わず、これからの家具インテリア業界の進む方向が見えてくる、そんな記事だった。
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*:..。o○ 家具から始める家づくり ○o。..:*
株式会社 リーフ 代表取締役 猪倉 厚
1級建築士・宅建士・インテリアコーディネーター
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株式会社リーフ(シャルドネ大阪南港)
1級建築士事務所 大阪府知事(ロ)第22510号
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