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年月とともに味わいを深める家具とは?天然木家具が長く使える理由


家具は、毎日の暮らしの中で長い時間を共にする存在です。だからこそ「できるだけ長く使える家具を選びたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
天然木家具は素材そのものの強さに加え、使い続けることで風合いが深まり、簡単な手入れをしながら長く付き合うことができる家具です。
本コラムでは、年月とともに味わいを深める家具とは何か、そして天然木家具が長く使える理由について、素材の特徴と暮らしとの関係からご紹介します。

目次

✓年月とともに味わいを深める家具とは何か
✓天然木家具が長く使える理由「素材の強さ」
✓傷や変化を“味わい”に変えることができる
✓簡単なお手入れ・再生ができるという価値
✓まとめ|家具は「消耗品」ではなく「長く付き合う存在」


年月とともに味わいを深める家具とは何か

「年月とともに味わいを深める家具」と聞くと、壊れない家具や、高級な木材を使った家具を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、本当に長く使い続けられる家具とは、ただ強い素材でつくられているということだけではないのです。
肌触りや木の香りなど五感で楽しむことができ、時間とともに価値が深まり、簡単な手入れをしながら長く付き合っていける家具。それこそが、年月とともに味わいを深める家具の本質だと思います。

家具は毎日触れて使い続けるものです。食事をするダイニングテーブル、人を支える椅子など、暮らしの中で自然とそこにある存在です。その家具が、10年、20年と変わらず使い続けられることは、暮らしの安心感にもつながります。

天然木家具は、まさにその条件を満たす素材です。なぜ天然木家具は長く使えるのか。その理由を、素材の特性と暮らしとの関係からご紹介します。


天然木家具が末永く使える理由「素材の強さ」

天然木家具が末永く使える理由のひとつは、素材そのものが“構造的に”しっかりしていることにあります。
無垢材は一本の木から切り出された素材で、内部まで同じ木質で構成されています。そのため、表面に傷がついても中身まで同じ素材であり、削ったり補修をしたりして修繕することができます。

ただし、天然木といってもすべての木に同じ強さがあるわけではありません。
杉やパインなどの針葉樹は比較的やわらかく、傷はつきやすい性質があり、一方で、オークやウォールナットのような広葉樹は硬く、耐久性に優れています。
リーフではこのウォールナットやオーク、ブラックチェリーなど耐久性に優れた広葉樹を主に使用しています。これらの材は硬さだけでなく、木目の美しさや経年変化の豊かさも魅力のひとつなので、おススメしている材質です。
また、天然木ではありませんが、MDFのように硬く均質な素材もあります。ただしMDFは木の細かい繊維を接着剤で固めた構造のため、削って補修することが難しく、水分に弱いという特性があります。

▲木材チップを繊維状に粉砕し、接着剤と熱圧縮して作られる木質ボード。反りや割れが少なく加工しやすい。この表面に、木目調などの化粧をします。

一方で、プリント合板などは、表面に薄い化粧層(プリント紙)を合板に貼っている構造のため、表面が剥がれてしまうと修復が難しくなり、中の合板が露になってしまいます。
見た目は似ていても、構造そのものが大きく異なるのです。

▲ウォールナット風のプリント合板。表面が剥がれて中の合板が見えてしまっています。


天然木の家具は大切に使用していけば数十年にわたって、末永く使っていける素材となります。
実際に、無垢材の家具が親から子へ、さらにその次の世代へと受け継がれている例も少なくありません。
素材そのものが長く使うことを前提としている。それが天然木家具の大きな特徴です。

▲無垢のウォールナット材

傷や変化を“味わい”に変えることができる

家具は、長く使うほどに傷や色の変化が生まれます。日常の中でついた小さな傷や日差しによる色の変化、触れることで生まれる艶。一般的な家具では「劣化」として捉えられることが多いものですが、
天然木家具(オイル仕上げ)の場合、そのような色の変化や艶は「経年変化」として、家具の魅力の一部になっていきます。
例えば、ブラックチェリー材は時間とともに深い飴色へと変化し、ウォールナット材は灰色がかった茶色から濃く赤みを帯びた褐色へと変わっていきます。
使い始めた頃とは違う表情を見せながら、そのご家庭の暮らしに馴染んでいきます。

▲初期のブラックチェリー材
▲5年ほど経過したブラックチェリー材

同じブラックチェリー材でも、上記のように初期と5年経過したものとでは色の違いに差があり、時間の経過とともに、淡いピンクがかった色合いから、深みのある飴色へとゆっくり変化していきます。
これは、木に含まれる成分が空気や紫外線に触れることで生まれる自然な経年変化によるもの。人工的に着色された素材では決して得られない、天然木ならではの魅力です。


簡単なお手入れ・再生ができるという価値

天然木家具が年月とともに味わいを深める大きな理由の一つに、自身で簡単に手入れができるという点があります。
オイル仕上げの無垢材の家具は、表面を削ったり、アイロンと水を使って熱と蒸気を利用して凹み傷をある程度直すことが可能です。
修復したあと、家具用オイルを塗布することで、再び美しい状態へと戻すことができます。(傷の程度によります。完全に元通りの状態に戻るわけではありません。)
長年使用してついた傷や汚れも、適切なメンテナンスによって、ある程度修復することが可能です。

ただし、ウレタン塗装など表面に塗膜を張って加工した家具では修繕は難しいです。部分的に補修すると境目が目立ってしまったり、劣化した箇所を修繕するには、一度ウレタン塗膜をすべて剥がす必要があり、大掛かりな修繕作業となってしまいます。
そのため、日常的な傷や凹みを気軽に手入れすることが難しく、長く使い続けるうえでの自由度は限られてしまいます。

一方で、オイル仕上げの家具は表面に塗膜を作らず、木そのものの質感を活かしているため、傷や凹みも手をかけながら整えることができます。使い手自身が手入れを重ねることで風合いはより深まり、時間とともに家具は“完成”へと近づいていきます。こうして直しながら使い続けられることこそが、オイル仕上げの天然木家具が年月とともに味わいを深める大きな理由の一つです。

買い替えるのではなく、直して使い続ける。この考え方こそが、年月とともに味わいを深める家具の本質です。

▲ブラックチェリー材オイル仕上げのテーブル。テーブル中央にある輪染みや汚れが研磨によって綺麗になりました。
▲メンテナンスを施す前。引きづった凹み傷があります。
▲アイロン(蒸気)と研磨によって修復。傷は消えて綺麗になりました。

まとめ|家具は「消耗品」ではなく「長く付き合う存在」

天然木家具が長く使える理由は、素材の強さ、修復可能な仕上げ方、そして時間とともに深まる魅力にあります。
新品の状態が完成ではなく、使い続けることで価値が増していく。それが天然木家具の本質です。
家具は単なる消耗品ではありません。暮らしを支え、時間を共に過ごし、記憶を刻んでいく存在です。
だからこそ、本当に良い家具は、長く使い続けることができます。

天然木家具は、使うほどに暮らしに馴染み、そのご家庭だけの表情を持つ家具へと育っていきます。
年月とともに味わいを深める家具とは、壊れない家具ではなく、長く使い続けたいと思える家具なのかもしれません。