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レンジフードの基礎知識 種類とメリット・デメリット一覧


キッチンの使い心地を左右する“換気”。その中心となるのがレンジフードです。
最近ではデザイン性の高いフラットタイプや、お掃除がしやすいノンフィルター型など種類も多様化し、どれを選べばよいのか迷いやすい設備の一つとなっています。
本記事では、レンジフードの基本構造から主な種類、そしてそれぞれのメリット・デメリットまでを分かりやすく整理。これからリフォームやキッチン計画を検討される方に、最適な選択のヒントをお届けします。

目次

✓レンジフードとは?基本の仕組みと役割
✓レンジフードの主な種類
✓種類別のメリット・デメリット一覧
✓まとめ:暮らし心地を高めるためのレンジフード選び


レンジフードとは?基本の仕組みと役割

レンジフードとは、コンロまわりで発生する煙・蒸気・油分・ニオイなどを吸い取り、屋外へ排気したり、フィルターで浄化して室内へ戻したりする換気設備のことです。
キッチンの衛生環境を整えるために欠かせない存在で、建築基準法でも設置が推奨される重要な設備です。

基本の仕組みは、ファンが回転することで吸引力を生み、吸い込んだ空気をフィルターでろ過し、ダクトを通じて外に排気するという流れが一般的です。ファンの種類には「シロッコファン」「ターボファン」「プロペラファン」などがあり、住宅では油汚れに強く排気効率の高いシロッコファンが主流となっています。

■ファンの種類

●シロッコファン
多翼型ファンの一種で、細かい羽根(ブレード)が円筒状に並んだ構造を持つ換気用ファンのこと。

●ターボファン
円盤状の羽根が外側に向かって並ぶ多翼遠心ファンで、強い吸引力と効率の良い排気が特徴の換気用ファン。
シロッコファンと同じ「多翼型」に分類されますが、羽根の形状・空気の流れ方が異なります。
フラット型のレンジフードにはターボファンが採用されることが多いです。

●プロペラファン
羽根がむき出しになった扇風機のような形をした換気用ファンで、空気を直接外へ押し出す“直圧換気”が特徴のファン方式。
昔ながらの壁付け換気扇として幅広く使われてきました。

▲シロッコファン
▲ターボファン
▲プロペラファン

レンジフードの役割は、調理時に発生する汚れを拡散させないことに加え、室内の空気環境を清潔に保つこと。油煙が家具や壁に付着するのを防ぎ、キッチンのニオイが部屋全体へ広がるのを抑える効果もあります。また、最近のモデルは整流板や静音設計、省エネモーターなどが搭載され、日常の使い勝手やメンテナンス性も大きく向上しています。

■レンジフードのその他パーツや仕様

●整流板
スリム型のレンジフードの真下についている金属製の板のこと。整流板があることで吸い込み口が狭くなり、空気が速い流れ(高速気流)になって吸引力が強まるという仕組みが働きます。

●幕板について
レンジフードのファンの部分やダクトを隠すためのカバーで、前幕板と横幕板があります。
前幕板は、レンジフードの前面を隠し、横幕板は側面を隠すカバーとなります。

●レンジフードのサイズ
横幅が60cm、75cm、90cmの3種類がほぼ全メーカー共通の基準サイズです。
消防法の規定により、レンジフードは使用するコンロの幅を上回るサイズで設置する必要があります。

●レンジフードの色
基本カラーは ブラック・ホワイト・シルバーの3種類で、メーカーによってはその他のカラーを選べる場合もあります。キッチン全体の雰囲気やインテリアテイストに調和する色を選ぶことも大切です。

●コンロとの連動換気機能
レンジフードには、コンロを点火すると自動的に換気がオンになる「連動換気機能」が付いています。
ただし、レンジフードとコンロ双方に連動換気機能が対応していなければなりません。
メーカーが異なる場合でも連動機能を使用すること自体は可能です。しかし、各メーカーで風量や火力の制御基準が異なるため、連動機能の性能を最大限に引き出すには、同じメーカー同士の組み合わせを選ぶ方が安心です。

●同時給排型
同時給排タイプのレンジフードは、排気と同時に新鮮な空気を取り入れることができる仕組みを備えたモデルです。一般的なレンジフードは排気のみを行いますが、換気の原則としては「排気量と同じだけの給気」が必要です。そのため、気密性の高い住宅では外気が自然に入りにくく、給気が不足しやすくなります。給気が足りない環境では、吸い込みが弱くなるだけでなく、異音が発生したり、すき間風が強くなったり、扉が開けにくくなるといった不具合が起きることがあります。

その点、同時給排型は排気運転と連動して給気口が開くため、必要な空気を室内に取り込むことができ、給気不足によるトラブルを軽減します。気密性の高い現代住宅や高性能住宅において、より安定した換気性能を確保できるのが大きな特長です。


レンジフードの主な種類

レンジフードにはいくつかのタイプがあり、見た目や清掃性、性能が少しずつ異なります。ここでは代表的な種類をご紹介します。

ブーツ型(深型)
昔から使われている形で、内部の構造がシンプル。吸い込み力が安定しており、価格も抑えめです。少しボリュームがあり、デザイン的には重たく見えることも。

スリム型
近年主流になっているタイプ。すっきりとしたデザインが特徴で、ダイニング・リビングに見えるキッチンで選ばれることが多いです。清掃性も高く、見た目と機能のバランスが良い種類。

フラット型
平たい形状をしたレンジフードで、場所をとらないことから狭いキッチンや低い天井でも取り付けやすく、換気扇の機能をコンパクトにまとめることができます。

センターフード
対面式やアイランドキッチンで使用する天井吊りのタイプ。デザイン性が高く、おしゃれなキッチンに人気です。風の巻き込みなどで吸引力に差が出ることがあるため、選定は慎重に。

ノンフィルタータイプ
近年増えている「フィルター無しで油を分離する」方式。掃除の手間が大きく減るため、共働き世帯や家事を軽くしたい方に人気。メーカーによって仕組みが異なります。

ダクトレス(循環式)
ダクトレスはフィルターで空気を浄化し、室内に戻す方法。マンションリフォームなど、排気経路の確保が難しい場合に選ばれます。

それぞれに個性があるので、暮らし方や間取りに合わせて選ぶことが大切です。


種類別のメリット・デメリット一覧

■ ブーツ型(深型)

◎メリット

  • 内部構造がシンプルで壊れにくい
  • 吸い込みが安定しており性能が分かりやすい
  • 本体価格が比較的安価

▲デメリット

  • ボリュームがあり、デザイン的に重たく見える
  • フィルター掃除の手間が発生しやすい

■ スリム型

◎メリット

  • すっきりとしたデザインで空間に馴染みやすい
  • リビングに見えるキッチンでも美しく収まる
  • 清掃性が高く、ノンフィルター構造のものも多い
  • 吸引効率が高く、省エネ・静音モデルも豊富

▲デメリット

  • 価格帯はやや高め

■フラット型

◎メリット

  • 天井が低い場所でも設置しやすい
  • 基礎工事を必要とせず、基本的に「フラット型 → フラット型」であれば追加工事なしで入れ替えができるため、リフォームで導入しやすい。
  • 価格が比較的安価

▲デメリット

  • デザインや機能面で選択肢が少ない

■ センターフード

◎メリット

  • 天井吊り型でデザイン性が高い
  • アイランド・ペニンシュラキッチンと相性が良い
  • インテリアのアクセントとして存在感を出せる

▲デメリット

  • 空気が拡散しやすく、吸引効率に差が出やすい
  • 本体価格・工事費ともに高め
  • ダクト経路が複雑になりがちで設計に注意が必要

■ ノンフィルタータイプ

◎メリット

  • フィルター掃除が不要で手入れが圧倒的にラク
  • 吸引効率が落ちにくい構造
  • 共働き家庭や手間を減らしたい人に最適
  • 内部で自動的に油を分離・回収するモデルもあり便利

▲デメリット

  • 本体価格が高め
  • 油受けのパーツ清掃は必要
  • メーカーごとに構造が異なり、性能差が出やすい

■ ダクトレス(循環式)

メリット

  • ダクトが不要でリフォームや特殊な間取りでも設置しやすい
  • 外部フードがなく、外壁を汚さない。
  • 室内と室外の気圧差がなくなる

デメリット

  • フィルター交換(活性炭など)が定期的に必要
  • ニオイ除去はできても湿気や熱は室内に残る
  • 高価な製品が多い

まとめ:暮らし心地を高めるためのレンジフード選び

レンジフードは、調理中の油煙やにおいを効率よく排気するだけでなく、キッチン全体の快適さや日々の家事負担を左右する重要な設備です。暮らし心地を高めるためには、まずコンロの幅に合ったサイズを選ぶことが基本です。コンロより狭いレンジフードでは吸い込みが弱くなり、キッチンの汚れやにおい残りにつながります。できれば75cmコンロには90cm幅を選ぶなど、ゆとりのあるサイズが理想です。

次に、吸引性能や静音性、油汚れへの強さを左右する「ファンの種類」もポイントです。一般家庭では、シロッコファンのように安定した吸引力と静音性を持つタイプが最も扱いやすいでしょう。また、整流板の有無は煙の捕集効率に直結するため、掃除のしやすさも含めて重視したい要素です。

さらに、キッチンのデザインやインテリアとの調和も暮らし心地には欠かせません。色や形状が空間に馴染むことで、視覚的にも快適で居心地のよいキッチンになります。連動換気機能やノンフィルタータイプなどの便利機能も、生活スタイルに合わせて検討すると満足度が高まります。

性能・デザイン・機能性をバランスよく選ぶことが、日々の暮らしをより快適にしてくれるレンジフード選びの鍵と言えるでしょう。

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