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「家具から始める家づくり」を考える
「家具から始める家づくり」リーフの猪倉です。
リーフのテーマでもあり、毎回ブログのたびに書いているこの
「家具から始める家づくり」というフレーズ。
今更ながら、どうしてこのフレーズなのか、について少し書き連ねていきたいと思います。
どうして家具から始める家づくりなのか
建築を学び、設計事務所に就職して住宅設計や家具設計の経験を積み
実家の家具店に戻り、家具販売の経験も積み
そんな中で、常に疑問に思うことがありました。
それは建築は建築側からしか住宅を見れず
家具は家具側からしか住宅を見ていない
ということです。
特に、分譲系、建売系の住宅の場合
「いかに住宅が早く売れるか」に主眼が置かれ
家具などの生活に不可欠なエレメントを入れた時に
「本当に住まい手に取って住みやすいのか」
という視点にかけていることが多かったのです。
不動産業者から見た「販売しやすい物件」
家具販売がメインの仕事だったころ、家具の配達も自ら行くことが多くありました。
そんな時に、「この家具何処に置くんだろう」というようなお部屋に多く出会いました。
不動産のチラシを見ると「5LDKの部屋数!」とか
「大きな窓がたくさんで明るいお部屋!」
などのコピーが並んでいます。
どうしても、物件を探すときには気になる言葉です。
しかし、やたらと部屋数を増やしたり、窓を大きく多くとることで
家具の設置に必要な「壁」が少なくなり
結果として家具の置き場に困る、よいう状況が多く生まれたのです。
予算取りされにくい家具インテリア
また、本来は設計時点で家具と住宅とのバランスをよく整えることの出来る注文住宅であっても、案外とうまくいっている事例は少ないのです。
立派なプランニングや素材、最新鋭の設備機器を備えながら、そこにある家具は量販店で購入されたチープな品質のもの、という場合が少なくありません。
この辺りは住宅設備業界と家具業界のプロモーション力の違いも関係していると思います。
例えば、浴室一つ取ってしても、標準的なユニットバスなら50万円程度で十分手に入るのに、テレビで流れるコマーシャルやショールームでの演出によって、お客様の目がどうしても最新設備に行ってしまいます。
その結果、ユニットバスだけで70万円、100万円となる場合も少なくありません。
これはトイレやキッチンに使用するコンロ、食洗器にも言えることで、いろいろとグレードアップしていくとあっという間に標準仕様の価格帯から100万、200万と予算が取られていきます。
そのしわ寄せがみんな家具インテリアの予算削減に向かいます。
家具の建築化への取り組み
もっとも、住宅に携わる者が全てそのような状態であったわけではありません。
家具の一部を造作家具として建築に取り組む動きは古くからありました。
私の勤務していた設計事務所では、家具工場も経営していたこともあり
所長の発案で家具として使える可動式の間仕切りシステムを開発していました。
後年、広島県府中市の家具組合が開発した「インターハウジングシステム」
も同じような発想で作られていました。
しかし、いずれも、大きな普及にまでは至りませんでした。
なぜでしょうか。
私には人には機能性ばかりを追求するのではなく
物としての美しさ、存在感を愛でる感性がおのずと備わっていると思うのです。
「家具から始める家づくり」の答えの一つに
「家具の建築化」はあるのかもしれませんが、すべてではない。
では、他にどんなパターンの「家具から始める家づくり」があるのか。
次回からはそれぞれの具体例を挙げながらお話させていただこうと思います。
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*:..。o○ 家具から始める家づくり ○o。..:*
株式会社 リーフ 代表取締役 猪倉 厚
1級建築士・宅建士・インテリアコーディネーター
Facebook https://www.facebook.com/atsushi.ikura
株式会社リーフ
(シャルドネ大阪南港・アールプラスハウス大阪南港)
1級建築士事務所 大阪府知事(ロ)第22510号
宅地建物取引業 大阪府知事(1)第56790号
建設業 大阪府知事(般-25)第140355号
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