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高気密住宅と同時吸排レンジフード その2


「家具から始める家づくり」リーフの猪倉です。

前回の続きで、今回は同時吸排以外のレンジフードについて一般的な事柄をお話いたします。

高気密住宅には室内循環型という選択肢も(ただしIH限定)

高気密住宅には同時吸排レンジフードが望ましいというのが前回のお話でしたが、もう一つの選択肢があります。
それが「室内循環型レンジフード」
一般的なレンジフード(下図の上)と違い、室内の汚れた空気をフィルターで除去するだけ(下図の下)なので換気自体は行われず、排気による熱損失や吸気による室温と異なる空気の過大な流入もありません。


ただし、大切な注意点が。
IHヒーター専用ということです。
ガスコンロなど、不完全燃焼によって一酸化炭素を排出する恐れのある機器は絶対に使わないということ。
生命にかかわることなので、レンジフードメーカーも販売時には確認書の提出を義務付けています。
また、フィルターの交換も3年をめどに行わねばならず、そのランニングコストを見ておくことが必要です。
このような注意点はありますが、ダクト工事が不要になるメリットは大きく、キッチンのレイアウトがかなり自由になります。
特に、ダクト配管の移動がむつかしいマンションのリノベーションなどには利用価値が高いといえます。(ただし、マンション管理規約の確認は必要です。)

一般的なレンジフード 本体+前幕板+横幕板

レンジフードは「本体」と「幕板(前幕板、横幕板)」に分かれており、カタログなどに記載されている価格は本体のみのことが多いので、ご自分で手配される際は幕板の発注漏れに注意が必要です。
本体の寸法は変えることはできませんが、幕板は高さも何種類かあり、天井高に必要な高さの幕板を選びます。
また横に壁などがない場合は内部が見えるのを防ぐために横幕板も必要です。
幕板は梁のでっぱりなどがある場合は別注も受け付けてくれますので多少壁天井から突起がある場合でも対処が可能。
下の写真はこのブログでもご紹介したマンションリノベーションのキッチンですが、レンジフード側面に当たるのが横幕板。
前幕板は奥の壁から出ている梁(内部には排気ダクトが納められている)の形状に合わせてカットされています。

一般的なレンジフード デザインタイプ

次にデザインタイプです。

ブーツタイプ
あるいは箱型タイプと呼ばれるもの
価格がリーズナブルで、予算を抑えたいとき、キッチンがあまりリビングやダイニングから見えない時などに使う場合が多いです。
金網上のフィルターがついており、掃除の際には取り外し洗いが可能。一般には洗う手間を省くために不織布などで造られたフィルターを貼っておられるご家庭が多いですが、本来換気計画で計算されている必要換気量に満たなくなります。
また流量抵抗が増えますので同じ電気代なのに吸い込み力が弱くなってしまいます。


スリムタイプ
「整流板」とよばれるパネル状のパーツが開口部についています。
一見すると吸い込む力が弱くなりそうですがベンチュリ効果(車の窓を少しだけ開けると勢いよく車内の空気が吸い出されるあれです)によって結構強い力で排気してくれます。
整流板を取り外すと金網のフィルターがあるので、普段のお手入れは整流板をふくだけ、たまにフィルターを洗います。

最近はスリムタイプでも本当に薄いデザインのものも出てきました。見た目なかなか格好が良いのでよく使われています。

サイドフードタイプ
オープンキッチンでコンロ側だけ壁に着く、「ペニンシュラ型」のレイアウト時によく使います。
こちらも「整流板」がついており、お手入れはスリムタイプと同じ。
このレンジフードを使うときはコンロの正面に壁がない場合がほとんどなので、コンロ前の天板上に高さ30cm程度のパネルを建ててあげると、排気効果が改善できます。

和歌山県岩出市O様邸ブラックチェリーのペニンシュラ型キッチン


梁対応型
マンションなどで壁から梁が出っ張っているときなどは本体部分ができるだけ薄めのレンジフードが必要です。
このタイプは本体がコンパクトに作られているので高さ20cmほどのスペースがあれば梁の下に配置することができます。

レンジフードは性能機能だけでなく、オープンキッチンではデザインも大切な要素。
色々な角度から検討されてお気に入りの一台を選ばれてください。
キッチンの施工例はこちらでもご紹介しています。

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株式会社 リーフ 代表取締役 猪倉 厚
1級建築士・宅建士・インテリアコーディネーター
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株式会社リーフ
(シャルドネ大阪南港・アールプラスハウス大阪南港)
1級建築士事務所 大阪府知事(ロ)第22510号
宅地建物取引業  大阪府知事(1)第56790号
建設業      大阪府知事(般-25)第140355号
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